Windowsユーザは、Cygwin(Windowsの中に作ることのできる、Unix/Linux環境)を入れてCygwinでやった方が楽です。というか、僕は Windows版を Visual Studio Express でデバッグしたりしてどのようにコンパイルしても、どうしてもうまくいきませんでした。そんなわけで、ここでは、Cygwinでのインストールについて説明します。
Cygwinをインストールする
http://www.cygwin.org/cygwin/ で、setup.exe をダウンロードして実行します。
インストールするパーツやツールを選択する画面が出てきますが、ここは All を install してしまいましょう。時間はかかりますし、6GBほど容量を食いますが、今どきのPCなら問題になるほど場所を食うわけでもないでしょう。何が必要で、何が必要でないのか、Unix/Linuxユーザーでない僕らには分からないのですからとりあえず全部入れておきます。デスクトップに Cygwinというショートカットができます。(他にもできますが、ここでは使いません。)
HTKのダウンロード
http://htk.eng.cam.ac.uk/ ユーザ登録(register)が必要です。登録したメールアドレスにログイン用のパスワードが届きます。
Browse HTK software archive ページ http://htk.eng.cam.ac.uk/ftp/software に行って、必要なものをダウンロードします。Cygwinでコンパイルするなら,WindowsじゃなくてLinuxの方をダウンロードします。ファイル名はHTK-3.4.tar.gz。僕たちが最終的に使おうとしている Penn Phonetics Lab Forced Aligner (p2fa)は、最新バージョンではなく、3.4でしか動作確認できていないからです。
HTKインストールの準備
ダウンロードしたファイルを解凍する
tar.gz はWindowsの機能そのままでは解凍できないので、僕はTUGZip http://www.tugzip.com/Home.html を使っています。zipファイルを扱うにも色々便利なので、入れておいて損はないですよ。
解凍すると、htkフォルダができます。
細かい調整
次に、デスクトップのCygwin というショートカットを開くと、Cygwinのコマンドプロンプト画面が開きます。まず、
cd /usr (※Windows/MS-DOS と違い、フォルダ/ディレクトリの区切りは / です。\ (¥) ではありません。)
と入力して /usr ディレクトリに移動して、
ls (Windowsのコマンドプロンプト/MS-DOSの dir に相当)
を実行してみます。するとおそらく
X11 bin include lib local sbin share
的な実行結果が得られるはずです。(結果は異なるかも知れません。)
ここで「X11」のかわりに「X11R6」などのフォルダ名があったら、 以下のことを行ってください。
Windows上で、解凍したhtkフォルダの下の envフォルダに移動。ここで、
env.linux というファイルをテキストエディタで開いて、
SETENV -HTKLF ‘-L/usr/X11/lib’
となっている行を、
SETENV -HTKLF ‘-L/usr/X11R6/lib’
に変更します。(X11R6の部分は、/usrディレクトリでみつけたディレクトリ名にしてください。)
いよいよHTKのインストール
Cygwin上で htk/フォルダに移動します。Cygwin で、Windows の(マイ)コンピュータ(ー)に相当するパスは /cygdrive/c なので
cd /cygdrive/c/…(自分の環境に合わせてください)…/htk
のように入力すると移動できます。移動できたことを確認の上で、
./configure –prefix=/usr/local (– はハイフン2つです。環境によってはダッシュのようにも見えてしまいますが…)
を入力して実行。
あとは、
make all
make install
で、HTK の Cygwin へのinstallが完了します。インストールされたものは、
Windows 表示では C:\cygwin\usr\local\bin
Cygwin 表示では /usr/local/bin
にあります。
WindowsからPCを使い始めて、コマンドプロンプトを使ったこともない人にとっては、CUI (Character User Interface) の世界は大変苦しい作業だったと思いますが、これはまだまだ続くので頑張りましょう。
HTK を呼び出して動く p2fa をどう使えばいいのかというのが次の話になりますが、これは機会を改めます。
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