英語の音声に関する雑記帳

英語の発音について徒然と


『ARで英語が聞ける英語もののなまえ絵じてん』紹介

1年と少し前に三省堂から刊行された小学生用の単語集です。実を言うと、音声監修・執筆としてかかわっています。私がやったのは、カナによる発音表記と、レコーディングの立ち会いでした。

この本のウリは、「三省堂AR」というスマートフォン用のアプリを使って音声を聞けること。アプリを起動して、本の中の絵にカメラをかざすと対応する音声が聞けるという仕組みです。

そのような本なので、カナ表記はあくまでも目安で、実際の音声がすぐに聞けるということを前提に、できる限り「耳に聞こえる音」に近いものを表現できるような表記にしてあります。カナで表現できないような違いは捨てて、その一方で、文の形の例では単語間のつながりなどを生かすようにしています。

「紹介」と言いながら、残念な点をひとつ指摘すると、それは製本です。いわゆる普通の本の製本になっているため、ページを開いたまま置いておくことが難しい。使い込んだ後なら開きっぱなしにもなるのでしょうが、そうなるまでは、手で押さえていないと開いた状態を保てません。

そのため、ARアプリを使って音声を聞くという操作がしにくいのです。片手で見開きの両ページを押さえたまま、もう片方の手でスマートフォンを持ち、カメラで目的の絵を狙うという動作は、大人でもなかなか難しい。小学生ぐらいの子どもの場合、スマートフォンよりは、タブレットの方が、親から使うことを許されている場合が多くなるような気がするのですが、タブレットでこの動作をするのはほぼ不可能です。

そういうことなので、このような本の場合、手で押さえなくても開いて置いておけるリング製本にした方がよかったと思います。

この本、私の家では小3の娘が時々見ています。親しみやすい絵を使って分野別に単語を提示するということには成功していると思います。ただ、AR音声は使っていないですね…。これは、うちでは子どもが勝手にスマートフォンやタブレットを使うことを許可していないせいなのですが。

なお、同じ三省堂から『ARで英語が聞けるはじめてのえいご絵じてん』というよく似たタイトル&コンセプトの本も出ています。こちらには私はかかわっていませんのでご注意(?)のほどを。ARアプリで、間違ってこちらの本のデータをダウンロードしてしまい、かざしても音が出ない!としばらく悩んでしまいました…。



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